薬監証明の発行理由は、限定されています。
このページでは、輸入時に使われる薬監証明(やっかんしょうめい)についてご説明いたします。
薬監証明とは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器を海外から輸入する際
通関で必要となる書類の一つで、厚生労働省確認済輸入報告書の事です。
薬監証明はビジネス目的以外の理由で輸入を行うときに
地方厚生局から発行され、その発行理由も限られています。
薬監証明は、下記のいずれかの理由がある場合に限り発行されます。
1)企業が主体となって実施する治験用に輸入する場合
2)企業が医薬品の品質の確認や、治験用の表示をするために輸入した後、治験を実施する別の企業に供給する場合
3)医者が臨床試験を実施するために輸入する場合
4)企業が医薬品等を輸入し、表示をした上で、臨床試験を行う医者に供給する場合
5)治験計画届書が提出されている治験の際の検査等で使用する医薬品等について企業が輸入し、表示等を行った上、治験を主体となって実施する別企業に供給する場合
6)試験研究用の場合
7)試験研究計画書に基づき必要とされる社内用見本の場合
輸入者自身が商品価値等を判断するための輸入で。
第三者に配布することを目的としない場合に限る
8)学会や公的機関の展示会で、学術の発展や産業の振興を目的とした展示用の場合
9)個人用の場合で、数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品を輸入する場合や、個人使用目的でも規定数量を超える数量で輸入する場合で医師等の処方箋や指示書が発行されているなど、正当な理由がある場合。
また、個人使用目的でも送付先が自宅以外だったり、あて名に社名などが入っている場合。
10)治療上の緊急性により、国内に代替品がない場合で、
医療従事者が、自己の患者の診断や治療に使用のため輸入する場合。
11)再輸入品や返送品用の場合
輸入した外国製品を修理などのために再輸出(返品)し、修理後再輸入する場合
輸出した製品が不良品などの理由で返送されてくる場合
12)自社製品の原料として使用する場合や、製造販売承認済みの自社製品を作るために
輸入する場合
13)その他、保健衛生上の観点から、特に必要と認める場合
また、いずれの場合も、通関時に同時に必要になる書類として
仕入書(インボイス)のコピーと、航空貨物運送状か船荷証券のコピー
を合わせて提出する必要があります。
また、上記以外の書類として、委託と受託の契約書や、臨床試験計画書などが必要となる場合もあります。
個人の使用目的で、数量が一定量以下の少ない場合は、薬監証明不要で輸入できます。
個人輸入で認められた数量以上の医薬品や医療機器を輸入しようとして、税関などで止められ、薬監証明の発行もできない場合には、一般的には許された量だけを受け取って、残りは返品か廃棄という事になるでしょう。
なお、税関は止めた荷物が薬監証明を発行可能なケースかどうかは判断できないため、荷物の受取人に対しては一律に「荷物を受け取るためには薬監証明が必要です」と案内します。しかし、発行するかどうかは、別の機関である厚生労働省の判断になりますので、税関に言われたからと言って必ず発行されるとは限りません。発行できないNG事例の代表例としては、(許可を持っていないのに)販売目的で輸入するケースや、医師の処方箋なしに大量に個人輸入するケースなどです。