医療機器を製造するには、医療機器製造業の登録が必要になります。

この登録で行えるのは、医療機器の製造と輸入のみで、市場流通させることはできません。

製品を市場流通させるには、医療機器製造販売業という別の許可が必要になります。

製造工程の中で、設計・組立・滅菌その他厚生労働省で定める工程を行う製造所で

あれば、医療機器製造業の登録を行います。

医療機器製造業の登録においては、その登録でクラスⅠ~Ⅳまでの医療機器が

対象とはなりますが、管理責任者の学歴要件によってはクラスⅠの一般医療機器のみに

制限されることになりますので注意が必要です。

 

一般医療機器のみを製造する製造所の責任者の要件(クラスⅠ)

医療機器製造業において、クラスⅠを扱うためには、責任者が以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

●旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者

●旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する科目を修得した後、医療機器の製造に関する業務に三年以上従事した者

●厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

高度管理医療機器又は管理医療機器の製造所の責任者の要件(クラスⅡ~Ⅳ)

医療機器製造業において、クラスⅡ~Ⅳを扱うためには、責任者が以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

●大学等で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者

●旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した後、 医療機器の製造に関する業務に三年以上従事した者

●医療機器の製造に関する業務に五年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところ により厚生労働大臣の登録を受けた者が行う講習を修了した者

●厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

なお、責任者が変更となった場合は、雇用契約書と責任者の資格を証明する資料を添えて

変更後30日以内に変更の届出をする必要があります。

医療機器製造業の責任技術者の従事経験について


医療機器製造販売業を取得するには、総括製造販売責任者、国内品質業務運営責任者、安全管理責任者の3役が必要となります。その中で、特に国内品質業務運営責任者は、品質管理業務その他これに類する業務に3年以上の従事経験が求められている責任者になります。

医療機器の製造業の責任技術者も、製造販売業者の品質管理業務に従い、製造所内の業務に注意を払う事とされている責任者となりますが、この責任技術者の従事経験は、国内品質業務運営責任者等に必要な経験年数に算定できるのでしょうか?

責任技術者は、QMS省令において特段の規定がなされていませんが、 作業所内の従業者の監督、構造設備及び医療機器、体外診断用医薬品その他の物品の管理、その他の製造所における業務につき必要な注意を行う義務がある事を考慮すれば、責任技術者等について製造管理及び品質管理に係る責任及び権限を規定しておくことが望ましいという事になります。
このように、製造販売業者のQMS又は登録製造所のQMSにおいて、その責任や権限を規定している場合には、その責任技術者としての従事経験は、国内品質業務運営責任者等に必要な経験年数として算定する事が可能とされています。(平成27年3月13日薬食監麻発0313第8号)