医薬品卸売販売業とは

医薬品卸売ここでは医薬品卸売販売業について説明します。

医薬品卸売業とは、その名の通り「医薬品」を「卸売販売」するための許可区分です。

※ 取り扱えるのは医薬品のみが対象ですので、医療機器を販売するためには
卸売販売とは別の、医療機器販売業という許可または届出が必要です。

 

まずは医薬品卸売販売業のポイントをご覧ください。

・扱える医薬品は、原則としてすべての医薬品となる

・販売先は、一般家庭等ではなく病院や薬局、他の医薬品販売業者等となる

・営業管理者として、営業所には薬剤師を置く必要がある

 

では、以下で一つずつ見ていきます。

 

扱える医薬品の種類

卸売販売業では全ての品目の医薬品を扱うことができます。

但し、店舗販売業者や配置販売業者に対しては、一般用医薬品以外の医薬品を販売することはできないため、注意が必要です。

 

卸売販売業の販売先

医薬品流通の要とも言うべき医薬品卸売販売業では、当然様々な機関へ医薬品を販売することができます。

以下が主な販売先となります。

・薬局  ・医薬品製造販売業者  ・医薬品製造業者  ・医薬品販売業者※1

・病院や診療所・飼育動物施設  ・国、都道府県知事や市区町村長  ・助産所

・救急自動車  ・臓器のあっせんに使用する滅菌消毒用医薬品を使用する者

・施術所(あん摩、マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)  

・歯科技工所  ・滅菌消毒業者  ・ねずみ等の駆除業者  

・浄化槽設備等の衛生管理事業者

・体外診断用医薬品等を用いる登録試験検査機関  ・研究施設や教育施設

・医薬部外品、化粧品、医療機器の製造業者  ・航空会社

・船員法の適用を受ける船舶所有者

・その他厚生労働大臣が適当とみとめるもの

※1 医薬品販売業者のうち、店舗販売業者や配置販売業者には、一般医薬品以外の医薬品を販売することはできません。

 

 

卸売販売業の要件など

ここからは項目ごとにまとめてありますので、知りたい項目をクリックしてください。

 

 

 
 
 

医薬品卸売販売業の遵守事項とは?


医薬品をメーカーから仕入れて、ドラッグストアや薬局へ販売するためには、医薬品卸売業の許可が必要となります。

医薬品卸売販売業の許可を取るためには、資格条件を満たした責任者(営業所管理者)を雇用して設置することとなっています。

そして、医薬品卸売販売業を取得すると、医薬品の品質を守り、安心安全な医薬品の提供を行うために、遵守しなければいけない事項が決められています。

医薬品卸売販売業を行う方は、医薬品医療機器等法の施行規則156条で、以下の事項(157条から158条の6まで)を守る必要があると決められています。

1)試験結果の実施方法(157条)
医薬品の適切な管理のために医薬品の試験検査を行う必要があります。これは、他の試験検査機関を利用する形でも大丈夫です。
2)医薬品の適正管理の確保(158条)
医薬品の販売や授与(貯蔵)に係る適正な管理を行うため、必要な措置をとる事が義務付けられています。事故報告の体制や、貯蔵設備に部外者が立ち入れないようにし、適正管理の手順書も必要になります。情報収集や業務の改善も行っていきます。
3)卸売り販売業者からの医薬品の販売(158条の2)
店舗販売業や配置販売業の方に、その許可では取り扱えない医薬品を渡さないようにする必要があります。
4)営業所の管理に関する帳簿(158条の3)
試験検査の結果や不良品の処理などの管理の帳簿を備える必要があります。
5)医薬品の購入等に関する記録(158条の4)
商品となる医薬品をどこから購入して、どこに販売したかを記録に残す必要があります。
6)業務経験の証明(158条の5)
上記の業務を行っていた従業員から、業務に従事したことの証明を求められた場合は、
証明書を発行しなければいけません。
7)障害を有する営業所管理責任者に対する措置(158条の6)
営業所管理責任者に視覚障害・聴覚障害・音声機能や言語機能に障害がある場合は、保健衛生上支障がないように、適切に業務ができるように、必要な設備や環境を整えて業務が行えるように措置を講じる必要があります。

医薬品卸売販売業で、取扱いに手続きが必要となる医薬品とは?


医薬品の販売業には、店舗販売業、卸売販売業、配置販売業、といった形態があり、それぞれ取り扱える販売可能品目は異なっています。

店舗販売業は要指導医薬品と一般用医薬品、配置販売業は一般用医薬品のみ、そして医薬品卸は医薬品全般を取り扱う事ができます(指定医療用ガス類または指定歯科用医薬品に限定されている場合を除く)。

ただし、医薬品全般を取り扱える医薬品卸ですが、向精神薬、麻薬及び覚せい剤原料等は、別の法令で手続きの規定があるため、注意が必要です。

麻薬と向精神薬は、「麻薬及び向精神薬取締法」で、覚せい剤原料等は「覚せい剤取締法」でそれぞれ手続きが定められています。

なお、麻薬を取り扱うための免許(麻薬及び向精神薬取締法第3条) と向精神薬を取り扱うための免許(麻薬及び向精神薬取締法第50条)は別物になります。資格要件もそれぞれ異なります。免許を受けると、それぞれ麻薬卸売業者、向精神薬卸売業者となります。また、覚せい剤原料等は「覚醒剤原料取扱者」の指定(覚せい剤取締法第30条の2)を受ける形になります。